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持続的深い鎮静というルート

現在(2022年10月)、日本において合法的に実現可能な安楽死に近いひとつの手段として、「持続的深い鎮静」による間接的安楽死があります。


これは緩和ケアにおいてされる処置です。

通常、ガンなど特定の病気による終末期において患者の死期が確実に迫り、避けられない場合の苦痛の除去としてミダゾラムなどの鎮静薬が使われ、結果飲食不可となり麻酔を継続的にうたれたまま死に至るという過程を経ます。


最近は緩和ケアも身体的苦痛のみでなく、スピリチュアルペインなど精神的な苦痛にも注目するようになっており、緩和ケアの適用範囲について議論がはじまっています。



ここで、できる限り安楽な最期を遂げるため、あらかじめ打っておける手段として、


・近くの緩和ケア病棟を調べておくこと

(場所や早期緩和ケアに対応しているのか等)


・リビングウィル(事前指示書)の詳細に持続的深い鎮静を希望することを書いておくこと。

リビングウィルについての記事はこちら


・家族や友人、恋人はもちろん、通院していれば主治医や看護師・介護者に普段から延命治療は希望していないことを伝えておくこと。リビングウィルのコピーを渡しておくこと。


などがあげられます。



また現段階ではあくまで考え方のひとつに過ぎませんが…

飲食拒否(VSED)の結果、脱水症状による腎不全が確実となるので、

「VSEDを実行する自分の死は避けられないのであり腎不全による苦痛を受けることは確実であるため、死に至るまでの苦痛緩和という目的の上持続的深い鎮静を施してほしい。」

という主張はできます。

※現実的にVSED開始~鎮静開始までの苦痛と恐怖の観点から背中を押せる手法ではありません。

またこういう手法を行う際は予め担当の医師に手紙など書面で自ら死を望んでいた事、耐えられない苦痛があったこと・医師への感謝等の意思を残しておきましょう。スケジュールⅢに登録されている睡眠薬を過剰摂取して自殺した患者が手紙を残していたことにより、訴えられた医師が減刑された事例が実際にあります。



一般の方が現代日本のオーバーグラウンドでできることはいかに望まない延命をされないようにするか普段から周囲の人や医療関係者に発信、行動しておくことだと思います。





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