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いざというとき、自分がどのような処置を受けたいか、受けたくないのか、前もって家族や友人、医療関係者に伝えておき、また、自分で意思表示ができなくなったときの代理人を指定しておく書面が事前指示書(リビングウィル)です。
これがあれば、ないよりは、終末期において、耐え難い苦痛をほんとうに終わらせたいとき、鎮静を受けて死に向かわせてもらう…もしくは緩和させてもらうために役立ちます。(最近では早期緩和ケアという考え方、精神の耐え難い苦痛への理解も進みつつあるため、終末期に限らず必要なものと思います。)
明確な意思表示をしておくことは自分が望む処置を適切に行ってもらう(または行われない)ことに繋がります。
ただ、ひとえにリビングウィルと言っても、どう書けばいいかわからない人もいると思うので、ここでは私がリビングウィル作成に使った書式と、それで実際に私が書いたリビングウィルを紹介をします。
リビングウィルには定まった書式があるわけではありません。検索で「リビングウィル」「書式」と打つと、様々な書式が出てきますが、私はまず、一般社団法人 松本市医師会の簡易的な書式を拝借してプリントし、書き込み、家族や主治医、ケースワーカーさんに渡しました。
より細部まで具体的に指示を書きやすいのは厚生労働省の書式かなと思います。合わせて紹介しておきます。
◆事前指示書のひな形・書式◆
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内容としては、私は特に鎮静の希望を強調して書きました。
ここではこのように、簡易的な既存の書式をコピーして使用する形を紹介しましたが、できる人は書式の構成からすべてオリジナルで書いてる人もいるようです。
シンプルに
・してほしいこと
・してほしくないこと
を箇条書きに書いてもいいと思います。
ひとまずは自分の意志が他人に伝わればいいので、必ずこういう型でなければいけないというルールはありません。ただ署名はしっかり書いておきましょう。
家族の署名をもらうのが難しくても、文面を残しておかないよりは個人的にいいと思います。また、厚生労働省の書式を見る限り、必ずしも、代理人は家族でなければいけないということでもなさそうです。信頼できる友人やワーカーさんでもいいでしょう。
この辺りについては、また研究を深めてわかったことがあったら改めて更新したいと思います。
リビングウィルが書けたら、あらかじめ、通院している病院や、緩和ケア病棟の関係者に、コピーを渡して、カルテに挟んでおいてもらうのがいいと思います。
家族と同居している人は、『生きるための安楽死』の著者、シャボットあかねさんも勧めていた「菓子箱作戦」をおすすめします。空になった菓子箱に、リビングウィルのコピーを入れておいて、いつでも目につく場所に置いておきます。そうすると、普段こういった話を直接話しにくい家族にも、事前に自分の意志を知っておいてもらえるきっかけになるかもしれません。
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ひとり暮らしの方で、たとえば万一救急車に運ばれるようなことが起こったときのために、自宅だったら、人の目につく場所に、菓子箱作戦と同じように置いておくか、直接壁に貼っておいてもいいかもしれません。普段からリビングウィルを持っておけば、運ばれた先で気づいてもらえるので、コピーを貴重品と一緒に持ち歩くのもありだと思います。
ここにあげた方法はあくまで一例ですが、どなたかの参考になれば幸いです。
MN
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